【ケーススタディ】小1WPPSI 言語理解107・知覚推理118・処理速度130 視覚優位でアウトプットが苦手な子は学習でつまずく?
知能検査の結果は、得意な部分とそうでない部分が具体的な数値として示されるため、今後の学習面について不安を抱くことも多いのではないでしょうか。
今回は、視覚的な処理に強みがある一方で、言葉で表現することが苦手なお子さんのケースを取り上げます。
【ご相談】
こんにちは。小学1年生の子どもについて相談です。
先日、ウエクスラー式知能検査のWPPSIを受けたところ、結果は以下の通りでした。
①言語理解107
(知識11、単語11、語の推理11)
②知覚推理118
(積木模様16、行列推理12、絵の概念10)
③処理速度130
(符号14、記号探し16)
知覚推理と処理速度が高めに出ており、特に視覚的な処理が得意なタイプなのではないかと感じています。実際頭の中では映像として考えているように見える一方で、それを言葉にする場面では上手く表現できず、会話や文章を書く際に伝えたいイメージに対して言葉のアウトプットが追いついていない印象を受けます。語彙そのものは少なくないように見えますが、その場に合った言葉を適切に選べていないように感じることもあります。
このようなタイプの場合、言語理解や言語面はどのように伸ばしていけばよいのでしょうか。また、学習を進めていくにあたりどのような傾向が出る可能性があるのかも気になっています。
なお、検査にはワーキングメモリの項目がありませんでした。担当の心理士の方に確認したところ、「ワーキングメモリがあったとしても、極端に低そうな印象ではない」と言われています。
母親である私自身が、知覚が高くワーキングメモリが低いタイプで、LDもあり苦労してきました。娘も映像で考える点が自分と似ているように感じるため、今後学習面でつまずかないか心配しています。
【回答】
検査結果を見る限り、視覚的な理解や処理の力が比較的高いタイプであるとうかがえます。特に積木模様の得点が高く、図形を捉えたり頭の中でイメージしたりする力が他と比べ目立っているのかもしれません。
一方で、言語理解107は平均的な範囲にあり、知覚推理との差も今回の結果だけで大きく心配するほどではないように思います。小学1年生という年齢を考えると、まだ頭の中にあるイメージを十分に言葉へ置き換えられない場面があるのは当然です。低年齢での知能検査は下位検査の得点が変動することもあるため、今後WISCなどを受ける機会があればその結果も踏まえて見ていくと良いでしょう。
“言葉の引き出しは多いけれど、適切な言葉を選べない”という点については、語彙力そのものというより、場面に応じて言葉を使い分ける力や、その時々で柔軟に考える力が関係している可能性があります。ただし、今回の結果では語の推理が低く出ているわけではありません。言語面だけに弱さがあるというより、視覚処理の力が相対的に際立っている状態と捉える方が自然です。
言語面を伸ばすには、弱いところを直接補おうとするより、本人に合った形で言葉に触れる経験を重ねていくことが大切です。苦手な部分だけを集中的に鍛えようとすると、本人にとって負担が大きく学習への抵抗感に繋がることもあります。
視覚的な理解が得意であれば、絵本、図鑑、漫画、アニメ、映像教材などを通して、見たものや感じたことを親子で言語化していく関わり方が合っていると思います。「この子はどう思ったのかな?」「次はどうなると思う?」といった会話を重ねることで、目で見たイメージと言葉が少しずつ結びついていきます。
学習面については今回の結果だけを見る限り、大きなつまずきが予測されるわけではありません。全体としては平均からやや高めの力があり、処理速度も十分なため学校生活では作業の速さや板書、提出物などで力を発揮できるかもしれません。
ただし実際の読み書きや計算で明らかな困難が見られる場合は、知能検査とは別で捉える必要があります。知能検査の結果が平均的であっても、学習障害が隠れているケースは容易に考えられます。そのような状況が続く場合には、学習障害の評価や診断に対応している医療機関などへ相談すると良いでしょう。今回の結果はあくまで1つの参考として、日常の様子や学習場面での困りごとと合わせて見ていくことが重要です。
さらに詳しくご覧になりたい方は、以下のYouTube動画をご覧ください。
【ケーススタディ】小1wppsi言語理解107知覚推理118処理速度130、視覚優位でアウトプットが苦手、処理速度凸、学習で躓かないか心配です…。
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