◎問題行動は“無視”が基本?身体や衣服に関わる行為への対処法
ゴールデンウィークが明け、新年度の慌ただしさも少しずつ落ち着いてくる時期になりましたね。
園や学校、支援の現場においても、子どもたちの様子を見ていく中で気になる言動への向き合い方に悩む場面が出てくるかもしれません。
今回は他者に迷惑がかかる問題行動について、“無視”という対応をどのように捉えるべきか探っていきます。
【コメント】
問題行動への対応は「無視が良い」と聞くことがありますが、他人に迷惑がかかる行動については単純に見過ごすわけにもいかないだろうと感じています。
他児や職員のズボンを下ろそうとする女の子がいるのですが、対象は必ず女児や女性に限られています。
このようなケースでは、どのように対応するのが良いでしょうか?
【回答】
コメントありがとうございます。とても大事な視点だと思います。
まず「問題行動を無視する」というのは、「放置する」という意味とは異なります。あくまで、その行為が周囲のリアクションや注目によって維持されていると考えられるときに、強化子となる反応を与えないという対応です。
例えばズボンを下ろそうとした際に、周囲が驚いて声を上げる・逃げる・叱る・説得するといったリアクションを取ると、それ自体が本人にとって刺激となり、行為が続く要因になることもあります。そのため反応をできるだけ淡々とさせ、“面白い結果”にならないようにするのがポイントです。
ただし、被害を防ぐための安全確保は別の問題として捉える必要があります。ズボンのひもを結ぶ、ベルトを使う、行為が発生しやすい場面では距離を取る、他の子どもや職員との接触機会を一時的に制限するなど、環境面の調整も不可欠です。
あわせて、それらの行動が何によって引き起こされているのかを見立てることも重要です。
相手の反応を楽しんでいるのか、追いかけられる・引っ張り合うなどのやり取りをしたいのか、嫌な活動から逃れるためなのか、あるいは感覚的な刺激を求めているのかによって、対処はそれぞれ変わってきます。
相手の反応や周囲との関わりが要因となっているのであれば、別の適切な方法を教える必要があります。逃避が背景にあるなら嫌なことを別の形で伝える手段を用意し、感覚刺激が目的である場合は他者を巻き込まない代替手段を検討します。
また疲れやストレス、不安など、本人の状態によって行為が発生しやすくなるケースもあります。そのため、問題行動が起きてから対応するだけでなく、本人が落ち着いて過ごせる環境をあらかじめ整えておくという視点も意識したいところです。
「無視するわけにはいかない」と感じるのは、ごく自然なことです。特に、身体や衣服に関わる行動では、周囲の安全や尊厳を守る姿勢も欠かせません。ただ、厳しく叱ったりいけないことだと説明したりするだけで、行為自体がなくなるとは限りません。
大切なのは
・周りの反応で行動をエスカレートさせないこと
・安全を確保すること
・行為の理由に応じた代替手段を教えること
です。
そのうえで、日常の中においてセルフコントロールの経験を少しずつ積み重ねていくことが、長期的な支援につながります。
さらに詳しくご覧になりたい方は、以下のYouTube動画をご覧ください。
◎問題行動には無視がいい?他人のズボンを下ろそうとする迷惑行為にはどう対応する?
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